喫煙を始めたきっかけは何でしたか?最初から「タバコ」はおいしかったですか?
タバコは、吸い始めの時に苦しさを我慢して「吸えるようになる努力」をして獲得してしまった「ニコチンの依存症」です。
「症」と言うからには病気であり、「薬」が必要ということです。
今や時代は、以前テレビのコマーシャルで観た「タバコ=格好イイもの」から、吸う場所も限られ、周りから白い目で見られる格好の悪いものになってきました、だからと言って喫煙者は悪者ではありません。患者(被害者)なのです。
全身の血管を慢性的に侵していく健康被害を受けている被害者としての患者であるという事を理解して「禁煙という治療」を始めてみませんか?
体に悪いとわかっているのになぜ、吸うのでしょう?
それは「ニコチン依存症」だからです。無理せず禁煙支援を受けてください。
大丈夫、きっとタバコは止められます。
喫煙を始めると、脳の中にニコチンが入ると活発になる受け皿(受容体)ができます。
タバコを吸うとこの受け皿にニコチンがくっつきドーパミンという快楽を感じる物質が出ます、この事がタバコの爽快感になるわけです。この受け皿は喫煙による急激なニコチンの濃度が上がるような状態では増えることがわかっています。この受け皿にニコチンが入らないと体がニコチンを欲しくなる症状が出ますこれがニコチン依存の状態です。
この状態では、自力(根性)での禁煙が困難になります、つまり薬が必要になります。
タバコの害は、
1.ニコチンによるタバコ依存症
2.タール等による発がん作用
3.一酸化炭素による血液中の酸素の運搬能力の低下、運動能力の低下
があります。
禁煙治療に使われる薬は体に一定のニコチンを与えてニコチンの欠乏症状を抑え、ニコチンの受け皿をだんだん少なくしてしまうニコチン代替療法(ニコチネルTTS、ニコレット)と脳のニコチンの受け皿にニコチンの代わりにくっついてニコチンの快楽の作用を弱める働きをする内服の薬剤(チャンピックス:一般名バレニクリン)があります。
これらの薬は禁煙後の離脱症状をおさえ、禁煙を助けてくれます。
チャンピックスは喫煙による満足感もおさえます。ニコチンパッチ、ニコチンガムを使うと禁煙の成功率が約2倍、チャンピックスを使うと約3倍高まるといわれています。ニコチンガムを除いては現在保険治療で12週間、5-7回の診察が認められています。
【ニコチネルTTS:ニコチンパッチ】
健康保険が使えます。
□ 毎日1枚皮膚に貼ります。
□ 皮膚からニコチンが吸収されます。
□ 一定期間をおきながら、貼り薬のサイズが大きいものから小さいものに切り替えて使用するのが標準的な使用方法です。
長所:
1.使用法が簡単
2.安定した血中濃度の維持が可能
3.歯の状態に関係なく使用できる
4.健康保険が適用される
短所:
1.突然の喫煙欲求に対処できない
2.皮膚の発赤、かぶれや睡眠障害(悪夢、異夢)
3.医師の処方箋が必要(平成20年5月31日よりニコチンパッチは20mg、10mgに限って薬局で購入できるようになりました。)
【ニコチンガム】
□ 薬局薬店で購入します(健康保険が使えません)。
□ タバコを吸いたくなった時に、1回1個をゆっくりかみます。
□ 口の中の粘膜からニコチンが吸収されます。
長所:
1.短時間で効果が発現
2.ニコチン摂取量の自己調節が可能
3.口寂しさを補うことが可能
4.処方箋なしで購入可能
短所:
1.かみ方の指導が必要
2.のどの痛み、胸やけや胃の不快感
3.歯の状態や職業によっては使用しにくい場合がある
【チャンピックス:一般名バレニクリン】
健康保険が使えます。
□ ニコチンを含まない飲み薬です。
□ 禁煙時の離脱症状だけでなく、喫煙による満足感も抑制します。
□ 禁煙を開始する1週間前から飲み始め、12週間服用します。
長所:
1.使用法が簡単(飲み薬)
2.ニコチンを含まない
3.離脱症状だけでなく、喫煙による満足感も抑制
4.循環器疾患患者に使いやすい
5.健康保険が適用される
短所:
1.突然の喫煙欲求に対処できない
2.体重増加
3.眠気
4.医師の処方箋が必要
以下のすべての要件を満たす必要があります。
・ ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)でニコチン依存症(5点以上)と診断された者であること
・1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上の者であること
・直ちに禁煙することを希望し文書により同意している者であること
「ニコチン依存症スクリーニングテスト」:TDS
問1 |
自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。 |
問2 |
禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。 |
問3 |
禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。 |
問4 |
禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、 胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加) |
問5 |
問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。 |
問6 |
重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。 |
問7 |
タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。 |
問8 |
タバコのために自分に精神的問題(注)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。 |
問9 |
自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。 |
問10 |
タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。 |
標準的な禁煙治療プログラムは、12週間に渡り計5回の禁煙治療を行います。
まず、初回診察で話し合って禁煙開始日を決定します。初回診察から2週間後、4週間後、8週間後、12週間後の計5回、禁煙の実行継続のための治療を行います。(内服の禁煙補助薬の場合は更に6週目、10週目にも受診が必要)
このプログラムでは、12週間にわたり禁煙の治療を行います。
この治療は、2006 年4月から健康保険が使えるようになりました(途中で、治療中止した場合や再度治療を受ける時は1年間空いてからでないと自費になります)。
治療には、禁煙を楽にしてくれるニコチン製剤(貼付剤とガム)と内服薬(禁煙補助薬)を使うことができます。ニコチンパッチ(貼付剤)も禁煙補助薬も保険がききますので、費用の一部を自己負担するだけで使うことができます。一方、ニコチンガムは健康保険がききませんので、全額自己負担で薬局薬店で購入してもらうことになります。
上手に禁煙するためのアドバイスを私たち医師が行います。
禁煙は、自己流でするより、医師の指導を受けながら禁煙の薬を使ってやめるほうが楽に確実に禁煙することができますよ。
禁煙したいけれど自信がない、これまで自分で禁煙したけれどうまくいかなかった人には、特にお勧めです。